Vol.58

本日、伊藤さんは、ロベルト・シューマン『子供の情景 作品15』の大解剖をして下さいました。
■前回の、2019年2月のセルゲイ・ラフマニノフのパガニーニ狂詩曲の大解剖以来になり、「ぜひまた大解剖お願いします!」というたくさんのメッセージが届いているそうです。
■子供心を描いた、大人の為の作品・・
〜伊藤さんは、「これから1曲づつ聴いて頂きますが、この作品が、いかに大人の為の作品であるかよくわかります。『The Romantic』が、いつも日曜日の夜に放送されているので、この時間帯に聴いて頂くのに良い作品ではないかと思い、今回この曲を選曲しました・・」とおっしゃっていました。
■伊藤さんは、注目して聴いて頂きたいところなどを、専門的なお話しなども交えて、13の作品を順に聴きながら解剖して下さいました。
■伊藤さんの、はじめのお話しの中から・・
〜ロベルト・シューマンが、奥様のクララ・シューマンへ宛てた手紙の中に「あなたは、私にとって、時々子供のように思います。」と書いており、その余韻の中で、主に1838年に書かれた曲
〜フランツ・リストを感動させた作品でも有名
シューマンの他の作品でも見られる色々なところに隠れているBACH主題・・
〜シューマンが、いかにバッハを尊敬していたかがわかる
■第7曲目のトロイメライのお話しの中から・・
〜伊藤さんが、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」の中に登場する作品を集めたリサイタルで演奏された曲で、宮沢賢治もおそらくとても好きだったのでしょうね・・と話されていました。
■ シューマン独特の幻想的な響きを創り出しているという、作品の大きな特徴のお話し・・
〜伊藤さんが、番組でいつもお話しされている「ポリフォニー」について、などを解説しながら聴かせて下さいました。
■シューマンの音楽の「ロマンティシズム」
〜「夢」・・この作品の中での大きなテーマ
〜「現実」と「イリュージョン」の違いという深いテーマ
〜ロマン主義への憧れ
・・・伊藤さんは、特に7曲目以降に現れているなど、その他、色々なお話しもして下さいました。
■作品を聴きながらの伊藤さんのお話しから・・
〜7曲目が終わったあたりから曲調が変わってくる
〜第7曲目「トロイメライ」と、第12曲目「子供は眠る」の中の「夢」とは、明らかに違った種類になっている
〜第12曲目の最後の偽終止の和音に注目して聴いて頂きたい。ここで、「現実」と「夢」が、ふっと入れ替わるのではないかと思う・・
■シューマンとワーグナーのお話しから・・
〜伊藤さんは、NHKラジオ番組のシューマンの交響曲第4番についての番組にご出演された時にも話されたそうで、必ずしも良い関係ではなかったというふたりですが、シューマンの交響曲第4番改訂版や今回の第12曲目にも、ワーグナーが使われていると言われており、不思議で、これから研究を重ねて行きたいとおっしゃっていました。
■伊藤さんは『The Romantic』という番組名を付けられた想いも聴かせて下さいました・・・
■「ロマン」とは何か?「夢」とは何か?
〜今までのお話しを聴き、リスナーの皆様にも考えてみて頂けると嬉しいと話されていました
■ 昔も、どこの国でも、「ロマン」に対する憧れがある・・
〜伊藤さんは、古い日本の和歌集や作家の方々、シェイクスピアなどの、「夢」と「現実」などについての作品をご紹介して下さり、これらを読んだりすると、21世紀を生きる我々も、いつもこのような想いを胸に秘めて生きていくと、きっと何か変わるのではないかと思います・・と話され、
〜いつの時代でも人々の心の中に「ロマン」に対する憧れがあったからこそ、音楽や絵画などの芸術が失われず、今日まであるのだろう・・などと更にたくさんのお話しをして下さいました・・・
■次回は、渡邊智道さんがいらっしゃるそうです