Vol.28

本日は、大解剖シリーズ第4弾となる、ラフマニノフ『ピアノと管弦楽のためのパガニーニの主題によるラプソディ 作品43 イ短調』の大解剖でした。

伊藤さんが昨年、指揮者として演奏された曲ということで、ところどころ、歌って下さったりしながら、わかりやすく大解剖して下さいました。
また、指揮をされる際に非常に難しかった所のお話しなどもされていました。

伊藤さんは、ラフマニノフについて話し始めると3時間位あっても足りないとおっしゃり、大解剖に入る前にも興味深い色々なラフマニノフのお話しをして下さり、ラフマニノフの作品を聴いていると、『歌』に満ちあふれていると思いますと話されていました。
■大解剖のお話しの中から
〜ロシアからヨーロッパを回った後、アメリカに渡り、作曲意欲が起きなかったというラフマニノフが、ガーシュウィンなどに出会い、新しいインスピレーションを得て、曲を書いてみようと思った中での作品。第10変奏などは、その影響が現れている箇所もたくさんある。
〜1934年6月からスイスの別荘で作曲を始め、初演も同じ年で、ソリストはラフマニノフ本人。
〜オーケストラ編成が大きく、ラフマニノフの後期の作品は、打楽器をよく使い、打楽器が、弦楽器や管楽器の響きの中に入ったとき、独特な面白い音を作っている。
〜オーケストレーションが非常に素晴らしい。第4変奏から第6変奏の所などは、木管楽器や金管楽器など色々な楽器が入っているのに、楽器の特性をよく理解して、所々色々な楽器が出てくるのも聴いていても非常に楽しい。
・・伊藤さんは、ラフマニノフの音楽に限らず、演奏家として、何回か同じ事を繰り返すときは、どのように違いをつけ、聴いているひとに伝わるかが、いつも課題と思っていると話されていました。
■伊藤さんは、オーケストラマニアとおっしゃり、専門的なお話しなどもたくさん話されていました。
〜第7変奏から第8変奏へ移る前の大太鼓を、ライブなどへ行かれた際は、よく聴いてほしい。ラフマニノフが意味があって入れていると思う。
〜ラフマニノフは、ソリストと打楽器などの動きが一緒になった時に非常に良いサウンドになるということを、良くわかっているので、ライブなどでは、第9変奏の打楽器とピアニストがあっているかなどもぜひ聴いてほしい。
・・伊藤さんは、指揮をされていて「鬼のように難しい」とおっしゃる第10変奏のアンサンブルをライブなどで完璧に演奏されているのを聴いたかたがいらしたら、ぜひ報告して下さいとおっしゃっていました。
■楽器の印象的な部分のお話しなどから
〜グロッケンシュピールの第10変奏の最後の高い音が印象的。
〜幻想的な第11変奏。ハープとの掛け合いが印象的。
〜チェロやホルンの音が非常に印象的な第12変奏。
〜ピッコロが出てきたり管弦楽の音という意味でも楽しい第13変奏。
■第14、第15変奏は伊藤さんが大好きな変奏だそうです。
〜クラシックの枠を超えたようなサウンド。
〜第14変奏から第15変奏へは、ピアニストのテクニックがガラッと変わり、オーケストラもいなくなり、ピアニストにとっては、とても難しい所。ピアニストの腕と、どのように音楽を弾くかが出るところ。
・・・伊藤さんは、大解剖シリーズは非常に楽しいと話され、本日は、第24変奏まであるうちの第14、第15変奏の途中までということで「次回も第14、第15変奏から始めたいと思いますと」おっしゃっていました・・・