Vol.23

〜チェリスト辻本玲さんを迎えて〜

本日は、日本を代表するチェリスト、日本フィルハーモニー交響楽団のソロ・チェロ奏者、辻本玲さんがゲストにいらして下さいました。
辻本さんは、東京藝術大学の音楽学部器楽科を首席でご卒業され、その後、フィンランドのシベリウスアカデミー、スイスのベルン芸術大学に留学されました。2011年には、サントリーホール、札幌、名古屋、京都、兵庫でデビューリサイタルツアーを開催され、2013年には齋藤秀雄メモリアル基金賞など、そのほか数々の賞を受賞されていらっしゃいます。また、弦楽四重奏の「アルカス佐世保レジデンス・カルテット」、チェロ四重奏団「クァルテット・エクスプローチェ」などの室内楽でもご活躍されていらっしゃいます。
本日は、12月27日(木)に、辻本さん、伊藤さんもご出演される『奇跡のチェロ・アンサンブル』コンサートにに向けてのお話しや、チェリストのおふたりならではの、チェロに関するたくさんのお話しなどを聴かせて下さいました。
2年前に行われた奇跡のチェロ・アンサンブルコンサートは、「ぜひ毎年開催して欲しい!」と大反響だったそうで、今年から毎年開催されるという、うれしいお知らせもご紹介されました。本日は2年前のコンサートの音源も聴かせて下さいました。
■本日ご紹介された曲
〜ピアソラ:現実との3分間
〜チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ・・演奏 クァルテット・エクスプローチェ
〜モリコーネ:ニュー・シネマ・パラダイス・メドレー チェロ6人版
・・1曲目と3曲目は2年前の奇跡のチェロ・アンサンブルコンサートから・・
■フィンランド、スイスへの留学について
〜昔から大好きなフィンランドのアルト・ノラス先生の生演奏を、神戸での千人チェロで聴き、ぜひ習いたいと思った。
〜その後ノラス先生と演奏スタイルなどが正反対のスイスのアントニオ・メネセス先生にも習いたいと思い、両極端な演奏をするチェロの巨匠に習い、更に勉強できた。
■辻本さんへ、リスナーのかたからのご質問の中から
〜チェロ・アンサンブルの醍醐味はなんですか?
「チェロは音域がすごく広い。普段チェロはバスの部分など支えの役割が多く、もちろんソロも弾くが、同じ系統のものが合わさると、『倍倍倍々・・』になっていく」
・・辻本さんと伊藤さんはチェロ・アンサンブルにしかない音が出ると話されていました・・
〜辻本さんは、1724年製のストラディヴァリウスのチェロをお使いとのことですが、他の楽器とどのようなところが違いますか?
「名器というのは、楽器のほうに自分が順応して行く期間が必要で、試行錯誤して1年くらいでようやく名器の良い音が出せるようになった。A線のつやつやした音が本当に好きで、低弦もノーブルな音がして他にはなかなか出せない音だと思う。」
・・伊藤さんは、1734年製のマッテオ・ゴフリラーを使用されているとのことで、とても共感していらっしゃいました・・
〜辻本さんにとって、自分の生まれ変わりのように思い入れのある作曲家はいますか?
「そこまでは、申し訳ないが言えないけれど、シューベルトがすごく好き。室内楽の曲が好きです。」
■辻本さんが考える「The Romantic」とは
〜怖いなと思っても、間違った道かもしれないけれど、一歩あゆんでいくこと〜
「音楽などをやっている上で、もしかしてこのまま頑張ってもゴールへ辿り着けないのではないかという事が沢山ある。その中でもゴールに向かってやって行く事が大事。情報が携帯などで簡単に手に入るようになり、若い子などをレッスンしているとすぐに正解を求めたがる。最短の距離で行きたい気持ちも大切だし、効率が良いと思うが、今まで、このままやったけれどゴールがなかったということがたくさんあり、そういうことがとても勉強になった。」
と、辻本さんがお話しされ、伊藤さんは、本日も心に響くThe Romanticでしたとおっしゃっていました・・・