Vol.21

本日はリスナーのかたからのリクエスト『エルガー:エニグマ変奏曲』の大解剖でした。
イギリスを代表する作曲家エルガーは、管弦楽の作品でも多くの名作を残しており、1800年代終わり頃、この作品が世に出てエルガーの名前が世界的に有名になったそうです。
エニグマとは・・謎のとか謎めいたという意味とのことで、本日は、主に、ひとつめの謎のお話しを伊藤さんが大解剖して下さいました。
■この曲の2つの謎について
〜ひとつめの謎・・それぞれの変奏の中に人の特徴が現れていて、わざと誰と書かず《頭文字》だけを残した。エルガーが誰を思い浮かべて書いたのか。こちらはひとつの変奏を除き、すべて解明されている。
〜ふたつめ謎・・まだ解明されていないエルガーの残したメッセージ「すべての変奏の基盤となっているもうひとつの決して聴き取ることの出来ない主題がこの曲には存在する。その謎については決して説明しまい。その影の声については想像できないようにしておこう。(中略)もっといえば、曲集全体をもうひとつのより大きな主題が貫いているのだが、決して演奏されないのである。」
こちらの色々な研究もご紹介されました。
■この曲が出来る最初の出来事
〜エルガーのピアノの即興的な旋律を、愛妻キャロライン・アリス・エルガーに「今のもう一度弾いて」と言われ、彼女の事が大好きなエルガーが、あなたが喜んでくれるならと、主題にもとづき変奏を弾き始め、親しい友人など肖像的なものを音や音楽にし、変奏の中に組み込んでいった。
■伊藤さんは「《頭文字》と共にオーケストラの演奏を聴きながら、誰について書かれたかなど一緒に謎解きをして参りたいた思います」とおっしゃり、色々なお話しをして下さいました。
〜主題を、聴いたあとに・・
〜第1変奏・・愛妻に向けた曲。どれだけ奥様を好きだったのかが伝わるような曲。
〜第2変奏・・ピアニストの友人。タタタタと気持ちの良い旋律はピアノを弾いてる感じを表した。
〜第3変奏・・ 俳優、パントマイムをやっていた友人。彼が声を変えてしゃべっている様子。
エルガー本人編曲のこの曲のピアノソロ版も、とても良く、特にこの第3変奏のピアノ版は伊藤さんが好きな変奏だそうです。
〜第4変奏・・とても元気の良い人。曲の激しい雰囲気で彼がどのような人が思い浮かんでくる。
〜第5変奏・・有名な詩人の息子のピアニスト。
〜第6変奏「イゾベル」・・エルガーの弟子につけた愛称。ヴィオラが活躍する。
〜第7変奏「トロイト」・・建築家の友人のミドルネーム。ピアノが好きだけれどもあまり上手くならず自分に腹を立てているようす
伊藤さんが好きな変奏だそうです。
〜第8変奏・・気分屋、のんびり屋さんと思っていた友人。そのような雰囲気の変奏。
〜第9変奏「ニムロッド」・・この曲の中で一番有名。エルガーの曲を多く出している出版社に勤めていた友人の愛称。2人ともベートーヴェンが好きで、ピアノソナタ第8番「悲愴」第2楽章がこの曲に隠れているという研究もされている。ロンドンオリンピックでも演奏された。
伊藤さんはこの変奏が大好きで、聴くと毎回感動するそうです。ピアノ版もとても良いそうです。
〜第10変奏「ドラベッラ」・・ドーラ・ペニーという人の愛称。出てくる木管楽器は彼女の笑い声という研究もある。
〜第11変奏・・オルガニストが飼っていた飼い犬の曲。ブルドッグだったそうです。
〜第12変奏・・チェリストを音で表した。チェロが活躍する。このチェリストのおかげで、エルガーは後の有名なチェロ協奏曲を書いた。
〜第13変奏「ロマンツァ」・・頭文字がない変奏。メンデルスゾーンの作品のチューンの引用がある。その他色々な研究がご紹介されました。
〜第14変奏・・最後の変奏は自分。第1変奏、第9変奏の余韻が残り、素晴らしい曲。
〜伊藤さんは、全てを聴くと圧巻の曲で、オーケストラのコンサートでこの曲を見かけたらぜひ聴きに行って頂きたいと思いますとおっしゃっていました・・