Vol.15

〜ドヴォルザーク・チェロ協奏曲 大解剖 Part 2〜

本日は、前回のドヴォルザーク・チェロ協奏曲 第1楽章の大解剖に引き続き、第2、3楽章の大解剖をして下さいました。
この曲は、伊藤さんが、2011年ロンドンにて、世界的なオーケストラ、フィルハーモニア管弦楽団とご共演しプロデビューされた、思い出深い曲だそうです。
今でも昨日の事のように思い出せるそうで、後ろから聴こえるオーケストラの重厚な音量を聴いて、ステージ上で今この場でこの曲が弾けてとても嬉しいと思ったとおっしゃっていました。

また、伊藤さんが、15歳か16歳の頃、ロンドンで、この曲をオーケストラと一番最初に演奏したのは、王立音楽大学の大ホールで、大学の目の前には、110年前の同じ3月にこの曲が初演されたロイヤルアルパートホールがあり、とても感慨深かった思いを今でも思い出すそうです。

■今回の音源も前回に引き続き、チェロ:ダヴィド・ゲリンガス先生、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、指揮:小林研一郎先生

■第2楽章
〜叙情あふれるロマンティックなメロディー
〜チェロと木管楽器とのやり取りが多い
〜最初の木管楽器のアンサンブルの響きが美しい
〜中間部分のホルンの三重奏がとてもきれい
〜同じ音だけれども、出てくる箇所によって細かいニュアンスや強弱の記号が全然違うことが非常に多く、演奏家により解釈は異なるが、伊藤さんはドヴォルザークが望んでいると思い、違いがわかるように弾かれるそうです
〜最後にコントラバスにだけちょっとした装飾音が付いている。さまざまな解釈もあるが、今回の録音では細かいニュアンスも表現されている
後期ロマン派らしいメロディー運びなどを楽しみながら弾くようにしている

■第3楽章
〜大きな交響曲を聴いているような部分がたくさんある
〜はじめにトライアングルが出てきて、第3楽章の演奏が上手くいくかいかないかは、トライアングル奏者に任すと話したりする
〜チェロはテクニック的にも難しいけれども、オーケストラも非常にシンフォニックな響きのあふれる部分は、伊藤さんも大好きな部分だそうです
〜チェロとクラリネットとの掛け合い、その後のチェロとヴァイオリンとの情熱的な掛け合いの部分もいつも楽しみにしている
〜最後の美しい色々な思いが詰まっている旋律の部分は、現在スタジオで聴いていても涙が出そうになる。ドヴォルザークの託した思いを、チェリストとして伝えたいと思っている

■この曲の楽譜をよく研究していくと、オーケストラのパートのひとつの旋律が知らないうちに他のパートに上手く渡されたり、こんな副旋律もあったんだと思ったり、最初から最後まで魔法にかかったような曲だなといつも思う

■この曲はホールで聴くとまた良く、伊藤さんが来年、この曲を演奏される日程も近々公開されるとおっしゃっていました
次回はピアニストの金子三勇士さんをお迎えしてお送りするそうです。